はじめに
休日は釣りに行きたい、自由な時間は、それぞれの思う海や川に費やしたい。
そう願うのが釣り師の性だ。しかし、そうはいかない日も多々ある。
雨が降っている日、風が強い日、仕事が終わらない日。
水場に行くことができないときに、釣り師は妄想する。
「あの場所にはいるだろうか」「あのルアーには反応するだろうか」
それは釣りにおける最も楽しい時間の一つなのかもしれない。
水面の炸裂と走るラインを想像して興奮を覚えるあなたは、
傍から見れば、完全に子供じみている。釣り師は皆、子供である。
だが歳をとった子供は、かつて憧れた未知のフィールドや、
知らない魚の顔を思い描くのを忘れている。
大人の視野と子供の興奮を併せ持つ釣り師に、
釣りにいけない時に夢想する世界があれば、
きっと更なる楽しみ方が見つかる。
このエッセイが、その一助となれれば幸いです。

雨の日の釣り師のために。
クウル&やねこ